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岐阜地域懇談会活動レポート

第2回岐阜のつどい―岐阜を知ろう!つながろう!報告  

「石徹白の小水力発電と地域再生」交流見学会―地域への思い、地域づくりを学ぶ!

   岐阜の地域を知ろう!つながろう!をテーマに、8月18日第2回岐阜のつどい「石徹白の小水力発電と地域再生」見学・交流会を行いました。小水力発電の発電システムをじかに見たり、地域再生のお話しをお聞きしたり、地元のNPOの平野さん、久保田さん、その他沢山の人たちとあつく交流が出来ました。雷がなりましたが幸い天候も持ち、夏の一日、内容の濃い企画となりました。

【概要】
「小水力発第2回岐阜のつどい―岐阜を知ろう!つながろう!報告    文責 事務局
「石徹白の小水力発電と地域再生」
交流見学会・・地域への思い、地域づくりを学ぶ!!
【内容・スケジュール】の概略
午前9時00分 コープぎふ生協本部 出発 
11時00分 小水力発電の見学― 石徹白での小水力発電を見学。質疑して、交流。
12時20分 昼食懇談会
13時00分 石徹白での地域づくりについてのお話し
14時00分 意見交換終了
14時15分 大師堂見学   14時45分 帰路につく。

石徹白(いとしろ)って?
 白山国立公園の南山麓に位置する標高700メートルにある小さな集落。白山信仰が盛んな平安、鎌倉時代は修験者の出入りで栄えた。「大師堂」にある「虚空像菩薩」は国定重要文化財に指定。主要農産物であるとうもろこしは糖度がとても高く大変好評。冬は3メートルを越える雪が積もり、ウィンタースポーツには絶好のロケーション。厳しい雪国生活が強いられ、過疎・高齢化が進んでいる。

=石徹白の小水力発電・地域づくりのお話し=
NPO法人安らぎの里石徹白 理事長 久保田正則さん
NPO法人地域再生機構 副理事長 平野彰秀さん  より

らせん型水車発電システム(移動型・投げ込み方
式)
 水の位置エネルギーそれを使って発電します。発電は(水の量×落差×重力加速度×効率)できまるんですが、たとえばここは一秒間に200リットル、ドラム缶一本分の水が流れています。80〜90センチの落差を使って発電をしている。ここにあるのは開放型水車といいまして、タービンにとじこめていく形ではなくて水車が露出をした形のものになります。今ここでは最大800ワット、500W発電して24時間発電しています。トータルにすると同じくらいになります。一般の家庭で平均使用量1カ月300KW、1日10KW、波はあるがほぼ一軒分の発電をします。


  発電した電気を溜めての制御 
いったんバッテリーにためて、直流に直してがっちりためて使っています。これが全部久保田さん(写真の方)の手作りです。 大事なことは、電気の制御をいかに安定的にできるかということ。電圧が変動したらまったく使い物になりません。一番シンプルな格好ということで、直接直流に変換させて、直接バッテリーに入れてあります。今言われているスマートグリッドのような、その小規模版として各家庭で使えるように、せっかく作った電気を漏れなく使えるようにすることを研究する事が一番の課題だと思っています。

上掛け水車発電システム(定着型:バイパス方
式)
落差3メートルで発電しています。最大出力2、2KWです。ここで出来た電気は、物置の中で電電気制御して、だいたい1700Wくらい、今1635W発電しています。水が落ちているだけで最大家3軒くらいの電気を発電しています。 もっと公共に役に立つもので使おうと作りました。この建物は農村加工所で、電気代を気にせずに使えるように作りました。とうもろこしの跳ね品を使ってパウダーにしてパンとか料理に使う粉にしている、冬場は柿のチップ、みかんのドライフルーツにするなど、そういう生産を去年からやっています。 自然エネルギーを取り込んだ6次産業化を小さいながらもそういう形を私たちは目指しています。
螺旋式ピコ水力発電機ピコピカの説明
 今、水が少ないですが、それでも電気が付いています(街燈)。水車の形はらせん式と一緒とです。教育現場で電気の起こる仕組みをわかってもらういために作ってあります。これでも5、6Wは発電しています。12人しかいない小学生が、ドライバーなど工具を使って組み立てました。

  =地域づくり、自分たちのペースで楽しくできることから=

 地域の人たちの一番の関心ごとは人口減少です。昭和30年代には1200人ぐらい人口ありましたが、今は250人を切るような状況になっています。このままだと集落は消滅してしまうだろうと予想され、そのためにどういうことをしていったらいのかということで、地元の人たちがNPOを作られました。NPOの活動をやっていく中で、僕ら岐阜のメンバーと知り合う機会がありまして、このマイクロ水力発電の事業が始まった。2009年に石徹白ビジョンというのを作成し、そのスローガンが「将来にわたっても石徹白小学校を残そう」で、今全校児童が12人なんですけれど、小学校がなくなると子育て世代が住めなくなるので、一気に衰退が進むだろうということで、清掃登山、文化祭、運動会、いろんな行事が小学校中心におこなわれています。
 地域でいろんな団体がいろんな活動をしています。NPOとしては小水力発電の導入、この地域の自然や歴史のガイド、特産品の開発をやり、定住促進に向け今後山村留学をやろうと思っております。28歳の稲作農家の方が印刷Tシャツを作ってます。くくりひめの会も2年前から地の食材をつかったカフェをやっています。石徹白ファンづくりということで、エコツアー、キャンドルナイト。修学旅行の民泊受け入れ、特産品の開発というのを加工所で始めています。あとは定住で空き家の情報を提供したりやっているという感じですね。
 30年後も小学校を残そうという「みんなで楽しくできることから」、なかなかすぐに成果はでなくて、すぐにお金は黒字にならない、やってみるとたいへんですけれども、みんなでやって、何よりも楽しくがすごく大事です。自分たちのペースで、みんなで楽しくできることからというのも無理をしない形でやっていこうということで、ここ2〜3年はやってきまして、少しずつ移住する人がでてきたりという感じでそういう状況です。

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